2011年11月19日土曜日

小物工作2

最近は投稿をまじめにしていないせいか、久しぶりが多くなりました。
歳を取ると億劫に成るのか余り良くない事ですが、毎日題材は有るので出来るだけ、投稿していこうと思います。

さて、仕事上の事ですが、イベントやコンサートで、コンデンサーマイクを使用したい時があります。
当然の事ながら、電池を使用できるマイクは良いのですが、大半のマイクはミキサー側からファンタムと呼ばれる給電をします。この時、ファンタムをマイクが使用されているチャンネルだけに出来れば良いのですが、ミキサーによっては、全チャンネルしか出来ない事が有ります。
しかし、全部コンデンサーマイクなら良いのですが、ダイナミックマイクやマイク以外のエフェクター等が接続されている事が多いのです。
接続しているものによっては、故障の原因になったり、ショートしてミキサーが故障する可能性が出てきます。
そこで、単独でミキサーより先でファンタムをかける事が出来れば良い訳です。
今回は、ファンタム電源を製作してみました。












外観ですが、ステレオ、ドラムのトップの時等は、2本マイクを使用するので、2チャンネル給電できる用にしました。
電源スイッチは個々に付いています。また、AC電源を使用する事が多いのですが、電源ハムやコンセントのわずらわしさを無くすのに電池を使用しました。










内部を見て、おやと思った方は沢山いるでしょう。
何故かと言いますと、電池は006P 9Vです。2個直列にして18Vにしています。
ファンタムは通常48Vなのです。しかし、一般のコンデンサーマイクは特殊で無い限り、10V以上あれば動作します。
業界では、48Vが標準なので、何故48Vなのかあまり疑問に思ったことがありませんが、過去にウエスタンエレクトリックが電話で音声伝送をしていた時の端末機器に給電していた電圧がそうであったので、そのまま標準になったと言う説が有力視されています。
確かに電話ですと数十キロを伝送することも有るわけで、減衰を考えて設定されたと思われます。
しかし、私達の場合、ステージからミキサーまでどんなに長くても100m以内です。
マイク自体が10V前後で動作するのであれば48Vはいらない訳です。
実際、給電するミキサー側に4.8KΩもの高抵抗を解しており、電圧を下げているわけです。
もし、この抵抗が無ければマイクは故障してしまうでしょう。
この点を踏まえて簡単に10V以上を得るには006P電池は小型で良いと思います。
また、マイク自体の消費電流もかなり少ないので、事足りる訳です。
更にニッケル水素電池にして充電回路を内臓しました。
結果は上々で、これから重宝しそうです。

さて、二作目ですが、余り一般では使用されることが無いと思いますが、電話の音声を取り出したり、逆に外部からの音を送ったりする道具です。
放送関係やイベントでは、意外と重宝します。
メーカー品もありますが、特注品に近いので高価です。









原理はそれ程難しくなく電話機の受話器の変わりに取り付けて、マイク回路に音声を送り、スピーカー回路から音声を取り出します。
昔、受話器にマイクとスピーカーを向かい合わせにして同じ事をするカプラーと呼ばれるものもありましたが、音質的に問題があり、外部の音も入ってしまいます。
今回のは、受話器のケーブルを電話機から外して直接モジュラーケーブルで接続します。
また、通常の電話機としても即使用出来るようにスイッチで受話器に切り替えられます。










ミキサー等に接続できるようにトランスを送り受け共に入れてあります。
とは言っても電話そのものが帯域が300Hz~3KHz位しかないので、安価なサンスイのトランジスター用トランスを使用してシールドとしてシールドテープを巻いてあります。
それから、送りと受けのレベルが分かるようにレベルメーターをつけてみました。
使用してみて意外と音声もはっきりしていて、送りレベルも調整できるので、相手側が聞き取りにくい時等便利でした。